Sport Analyst Meetupって?
Sport Analyst Meetupは、「現役スポーツアナリストとスポーツ分析に興味のある方々で情報共有をする」ことを掲げたMeetupです。Meetupの目的は、リンク先から抜粋すると、
- スポーツアナリストおよびスポーツデータ分析に興味のある方に向けたイベントです。
- 本イベントはスポーツのジャンルを問わずスポーツアナリスト(を目指す人)にとって有益な情報共有の場になることを目的としています。
である。発表者は、本職のアナリストでもいいし、アカデミアでもいいし、趣味の一環でスクレイピングして分析したらこういった知見が得られましたよーって人もおk。いろいろなスポーツに関する知見を共有できればいいなっていう意向らしいので、みなさま是非是非。
そして、今回参加するのは第8回のSport Analyst Meetup #8です。発表を聞きながらダダダダッとこの記事を執筆しているので、間違えているところがあったら教えてください。。。
前回(Sport Analyst Meetup #7)に参加した時の記録はこちらです。
なお、Sport Analyst Meetupに関する参加者の声などはTwitterでは #spoana のハッシュタグで呟かれています。
https://twitter.com/search?q=%23spoana&src=recent_search_click
- Sport Analyst Meetupって?
- タイムスケジュール
- はじめに
- LT
- #1 (サッカー) - サッカーxポーカー by gshirato
- #2 (全体) - スポーツアナリティクスのオリジナリティを考える by kanakei
- #3 (いろいろ) - 現場で近いうちに必要になるであろうスキル by K_shoppi
- #4 (サッカー・バスケ) - 集団スポーツの軌道予測 by Keisuke Fujii
- #5 (バスケットボール(Bリーグ)) - Bリーグにおける勝敗とアリーナ集客分析 by hikarut
- #6 (野球) - 予想外に変化する投球の軌道は打者に学習されやすい?~Predictive Codingと予測誤差を添えて~ by nowism_sports
- #7 (サッカー) - 無観客試合におけるホームアドバンテージ by konakalab
- #8 (サッカー・卓球) - 個人スポーツ、団体スポーツにおけるアスリートのパフォーマンスのレーティングについて by MasashiW
- #9 (テニス)- サーブ制球力の定量的評価 by AkinohiAkatsuki
- #10 (フィギュアスケート) - 回転不足判定選手権をやってみた!by hironowa_ru
- 終わりに
タイムスケジュール
No. | 競技 | タイトル | 発表者 |
---|---|---|---|
1 | サッカー | サッカーxポーカー | gshirato |
2 | 全体 | スポーツアナリティクスのオリジナリティを考える | kanakei |
3 | いろいろ | 現場で近いうちに必要になるであろうスキル | K_shoppi |
4 | サッカー・バスケ | 集団スポーツの軌道予測 | Keisuke Fujii |
5 | バスケットボール(Bリーグ) | Bリーグにおける勝敗とアリーナ集客分析 | hikarut |
6 | 野球 | 予想外に変化する投球の軌道は打者に学習されやすい?~Predictive Codingと予測誤差を添えて~ | nowism_sports |
7 | サッカー | 無観客試合におけるホームアドバンテージ | konakalab |
8 | サッカー・卓球 | 個人スポーツ、団体スポーツにおけるアスリートのパフォーマンスのレーティングについて | MasashiW |
9 | テニス | サーブ制球力の定量的評価 | AkinohiAkatsuki |
10 | フィギュアスケート | 回転不足判定選手権をやってみた! | hironowa_ru |
はじめに
- 司会進行はu++さんとtsuyuponさん
- 使用しているツールは相変わらずPythonがぶっちぎりで多い(159名)、次点でExcel(41名)、R(20名)
- スポーツとしてはサッカー、野球、バスケ、テニス、、、
- LT10本で今回はもりもり
LT
#1 (サッカー) - サッカーxポーカー by gshirato
- 都合によりビデオでの発表
- テキサスポールデムでも場面場面での判断(意思決定)が非常に大切
- サッカーの不確実性:足でボールを扱うこと、選手の振る舞い
- ポーカーの不確実性;不確実情報ゲーム(相手のカードが不明)
- 情報を収集し(相手から引き出し)、こちらが有利になるように(意思決定による確率(期待値)の最大化)
#2 (全体) - スポーツアナリティクスのオリジナリティを考える by kanakei
- 「スポーツアナリストの機能を因数分解し、スポーツという集落から問い出すことで、新たな価値を創造できるのではないだろうか」 by JSAA
- これを紐解いていく
- スポーツアナリティクスのオリジナリティとは?
- 課題の当事者にとって科学(サイエンス)であること
- アナリストにとって芸術(アート)であること
- する人々の課題
- うまくならない、勝てない
- みる人々の課題
- わからない、つまらない
- 共通の背景
- 一人一人が正解が違う -> 芸術
- 共通の正解がある -> 科学
- する人々の課題
- これら2つを併せ持つことがスポーツアナリティクスだが、科学に注目されがち(アート思考が認識されにくい)
- つまり、スポーツアナリストは広く知識(専門性)を有し、広くアナライズすることが大切で、それが最初のJSAAの言論につながる
- HiVEという24時間の、スポーツアナリストを世に輩出するためのイベントが実施される(こちら)
- アート領域と融合することで個人に強く訴えることができる新しいフィールドが開ける可能性がある
#3 (いろいろ) - 現場で近いうちに必要になるであろうスキル by K_shoppi
- スポーツアナリストの現状と展望について
- 現状について
- 現場でのアナリスト業務 = データ分析ではなく総合格闘技(DSのように強い分析ができているわけではない)
- いろいろなツールを使用する必要がある
- データ分析については、データ集計がほとんどであることが多い
- 映像分析・制作も、すごいものというよりはスピード感が大事(明日のミーティングで使用する)
- 良くも悪くも器用貧乏(転身クラスがいれば世界獲れる)
- アカデミックからコーチになった人が少ない
- 現場主導ではこれらは変わることは難しい
- 展望
- スポーツアナリストは、競技者(現場)とDSをつなぐ役割になる可能性
- 教義への理解が求められる一方で、優秀なDSがデータ分析を蹴ってまで映像分析などをやるか?という二面性を有する課題
- 日本にも海外みたいに転換点があるか?? -> 厳しい、まずは誰かが日本で研究の有効性を現場で示していく必要がある、GMがデータ分析屋さんを連れてきて、それが偶然結果につながるとそれがブレイクスルーになって流行る可能性がある
#4 (サッカー・バスケ) - 集団スポーツの軌道予測 by Keisuke Fujii
- 前回(#7)も発表されていた
- 選手の動きをどのように予測するのか
- 長期予測のためにはRNNのようなNNが有効であると言われている(隠れ状態の更新)
- GraphNNやGANなども研究されているが、今回は模倣学習に基づく長期予測に関する研究
- 1~3秒の軌道から~10秒の起動を予測する
- 各選手に1つのモデルを充てることが多い
- RNNだけでは長期予測ができない(並びまで考慮されないので役割に関する情報が欠落する、1stepごとなので誤差が蓄積される)
- 誤差は速度ではわかり難いので、位置のズレを用いる
- Gaussian HMMを用いて役割割当
- DAgerrを用いて予測範囲を徐々に伸ばす
- 予測誤差だけでなくて守備指標([守備のボール(ゴールまでの軌道)までの距離]/[ボールのゴールまでの距離])も導入することで予測性能を向上させる
- さらに発展的な、長期予測の性能向上のために
- RNNの改善;変分RNN
- 目標(弱教師情報)の利用 など
#5 (バスケットボール(Bリーグ)) - Bリーグにおける勝敗とアリーナ集客分析 by hikarut
- スポーツは勝ってこそのビジネスなのではないか?負けても集客できる仕組みこそがスポーツビジネスなのか?
- 仮説:勝てるチームの方が集客が多い
- 単純にPearsonの相関係数では相関は非常に弱め
- 集客数は場所に依存している?
- スター選手が入ると集客が伸びる(話題性の重要性;スター性)
- 対戦相手の影響は? -> 対戦相手が人気(集客力が強い)時にはやはり伸びる傾向にある
- Bリーグでの復業のきっかけは、、求人サイトに出ていた、、笑 運強い、、、
#6 (野球) - 予想外に変化する投球の軌道は打者に学習されやすい?~Predictive Codingと予測誤差を添えて~ by nowism_sports
- 前回(#7)も発表されていたなういずさんの発表。今回も野球について。
- Predictive Codingは現在、脳科学でも注目されている
- イレギュラーバウンドに対する反応は、脳科学だと選択反応時間(Choice reaction time)が関係しそう(chat内で Hajime さんに回答いただきました)
- 先発投手で学習した後にリリーフ投手と戦うことになるので、先発投手よりもリリーフ投手の方が特異球を持つ投手が多い可能性もありそう
- 特異球は後半(4回以降)で攻略されがちなら、それを4回まで伏せることで長期リリーフが可能になるかも?
#7 (サッカー) - 無観客試合におけるホームアドバンテージ by konakalab
- (#2)(#4)でも発表している
- 世界120のリーグの結果を分析(基礎統計)するとビッグリーグであるかどうかにかかわらずホームアドバンテージがあることが確認される
- 日本は比較的ホームアドバンテージがマイルド
- Crowd Effect(観客)が大きく明確で、これが支配的であると信じているファンが多い
- 今、無観客試合が増えたため、この観客数がホーム云々に関係するかどうかが分析できるようになった
- 対比較法、詳細はスライド参照、面白い
- 無観客試合が多いほど、Wilcoxonの順位和検定での差に優位性が確認される、つまり観客の有無がホームアドバンテージに影響があると言える(特にスペインとドイツでは観客の影響が大きい)
- ホームアドバンテージがある、と思い込んだ状態で試合に取り組むと実際にホームアドバンテージが発揮される、という研究成果もある
- 観客の声援は審判に判断(認知科学)に影響を及ぼしている可能性
#8 (サッカー・卓球) - 個人スポーツ、団体スポーツにおけるアスリートのパフォーマンスのレーティングについて by MasashiW
- Fand!という会社が有している情報を使用しての分析
- アスリートの活躍度をレーティングする(どの舞台で、どの相手に、どんな勝ち方)
- プレーごとにポイントとゲインを設定し、EFFを計算している(計算公式は企業秘密)
- オフサイドラインの管理など、定量化されていない影の活躍(オフザボールの動き)も測定することは可能(ツールが発展してきている)だけど、影の活躍の関しては点数とかと違って速報性は減ってしまっている(もちろん入れた方がいいが、難しい、そのプレーに対するスコアの付け方もポジションによってどうなのか;バロンドールがオフェンスにばかり与えられている現状などもある)
- B2Cとしてのビジネスなので、EFFはわかりやすい式にすることが求められている
#9 (テニス)- サーブ制球力の定量的評価 by AkinohiAkatsuki
- ライン側に集めたとしてもそれが得点に直結しないのであればそのコントロールに対する良し悪しの評価はそれだけでいいのか?
- よりサーバー側に有利になるようにサーブを集めることができる能力がコントロールの良し悪しを評価する指標になりうる
- サーブの着弾点に関するデータは座標スクレイピングで収集(きつい)
- SVMでサーブの結果をWon/Lostの2値分類、境界検出(右vs右、ハードコート)
- バック側の方が得点率が高くなる傾向がある
- フェデラーはやはりコントロールがいいし、錦織は(コントロールが悪いと言われているが)確かにコントロールが良くはない(worstランキングのtop10)
- ラオニッチのコントロールが世界一である可能性(ほへ〜)
#10 (フィギュアスケート) - 回転不足判定選手権をやってみた!by hironowa_ru
- 第一回(#1)でも発表している
- 回転不足は二段階で定義されている(軽度:1/4回転以上・1/2回転未満不測の場合、重度:1/2回転以上不測の場合)
- 回転不足は基礎点・出来栄え点の両方が減点される
- 回転不足の動画比較は素人目には全くわからない
- わからない
- わからないのさ。。。
- 重度回転不足だと基礎点は1ランク下になるし、さらに出来合え点が大きく原点になるので、最初から1ランク下の技をやった方が得点が大きくなるというトリック
- 回転不足判定選手権〜〜〜!!!
- 実際の競技者でも判定は容易ではない、、
- 認識のすり合わせが非常に難しい、、
- 検定を繰り返し使用する場合にはαエラーも考えましょう
- !?!? 回転不足に公式の定義がないの!?!? 爪先なのか、とかとか
終わりに
相変わらず面白いし、何かやってみたいし、副業を探してみることにしました。スポーツを科学するって面白いなぁ。
がんばーれってー言ってーやるー!!
でっかい声でー言ってやるー!!
聞こえるか? がんばれーーっっ!!!(くーりーやまっ!くーりーやまっ!)
(埼玉西武ライオンズ)
(せーのっ)
\\\ 人にやさしく //
人にやさしく - THE BLUE HEARTS '87 9 27