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2020年輪読会@DLGを振り返る〜良い輪読会の条件は?

はじめに

 みなさまどうもこんにちはこんばんはおはようございます、データラーニングギルド Advent Calendar 2020の9日目担当のKです(ギルドではKと名乗らせてもらっています、なんとあのPTPのVocalと同じ名前!BOCの2ndアルバムLiving deadに収録されている名曲と同じ名前!ブラッディマンデイにも出てきた?ポケモンにも出てきた?そんな奇跡に満ち満ちた名前です)。

 ずっっっっっっとここ数ヶ月はひたすらにinputしていたので、こうやって久しぶりにoutputする機会が得られたのは嬉しいですね。いい機会です。さて、私はネットで活動する際には本名や所属している企業やコミュニティに関しては基本的には口にしないため、所属しているデータラーニングギルド(以下、ギルド or DLG)でももちろん本名も所属している企業に関しても公表していません。そもそも、私がDLGに所属している、ということさえもリアルの友達や身内でも知っている人は何人いるんだろうか?パッと思い出せるのは1人だけですね。なのでまず、簡単にDLGについてと、なぜ私がDLGに入ったのかについてお話しようと思います。

忙しい方向け

  • 輪読会はしっかり参加しないと分かったつもりで終わるぞ、何も手に入りゃしねぇぞ
  • 輪読会を実施する意義
    • 積本消化
    • モチベーションの維持
    • 議論による理解の促進
    • 一人では時間的に厳しいレベルまで深堀できる
    • 実際に使用する際の使い方を実際に使用している人から聴ける
  • こんな輪読会はやめとけ
    • 企画時点で、章や範囲の分担決めが完了していない
    • 発表者の準備が不十分で本に書いてあったことを読むだけ
    • 参加者が受け身で質問すらしない空気的存在
  • 社会人ならエクストリーム輪読会をやれ
    • 2時間程度で資料を作成、質疑応答まで含めて発表は30分で終わり
    • 担当するテーマは1つだけで良い(極端な話、数式1つでも良い、とにかく深堀しろ)
    • 毎週 or 隔週、コンスタントに実施して習慣化しろ

データラーニングギルドについて

 (完全にボクから見た解釈・主観増し増しで紹介します。村上さんに怒られちゃうかもデータラーニングギルドは、名前の通りデータを取り扱っている人間が集う場です。ギルドって響きかっこいいですよね。幼き頃、FAIRY TAILの魔道士ギルドとか憧れましたよね。データのインフラに関わっている人から、データサイエンティストとして活動している人、フリーランスでマルチに活動している人までいろいろいます。もちろんボクのようにデータサイエンスをほとんど使用しない職に就いている人もいます。そして何より、皆が習学中です。DLGがそこらにあふれているコミュニティと決定的に違うのは、有料であることです。所属している人たちは、お金を払ってでも学び、成長することを望んでいるのですね。もしかしたら、お金を払うんだから成長させてくれよ、金使えば成長できるに決まってるだろ、なんて馬鹿げた思想を持っている愚か者もいるかもしれませんがゲフンゲフン、冬はやはり乾燥がひどいですね。喉の調子が少しおかしいようです。

なぜDLGに入ったのか

 前述の通り、ボクはデータ分析に従事している人間ではありません。ではなぜ、ギルドに入っているのでしょう。簡単にいうと、同志を得るためです。何か勉強会をしたくなったら、人を集める必要があります。ギルドでもコミュニティでもなんでもいいですが、そういった団体に所属していない場合、特に勉強をともにしてくれる人を探すというのは、非常に困難なことです。Twitter等で呼び掛けてもいいですが、そこに責任は生じません(実際、Twitterで呼び掛けられたことをきっかけにいくつかの勉強のコミュニティに所属していますが、最初はドカドカ任ずが集まるものの、最終的には活動しているのは限られた人のみで、ほとんどの人は活動しなくなる(活動しているにしても、あくまで情報を受信するばかりで発信しなくなる)というのをいくつも見てきました)。

 お金を払って、勉強に対して強い思いを持っている人たちと一緒に活動することは、自身を机に張り付けるために非常に有効です。周りがやっていれば自分もやらなくては、となるし、自分の担当が回ってきたらやらなければ他の人に迷惑をかけてしまう。根っからのサボり魔であるボクには、お金を払う以上に効果的でした。いくつか活動はありましたが、ここではタイトルにもあるように輪読会についてとりあげようと思います。輪読会の実施こそ、ボクがギルドに所属した大きな理由の一つだからです。ギルドに参加するまでは輪読会といふものをやったことがなかったボクが、今になって感じていることです。ただし一点、補足を。ここから記載する内容は、かなりボクの主観が入っているため一般的ではない可能性が高いこと、そして自分への戒めも込めて書き殴っています。「あぁ、こういった人間もこの地球上には生息しているのだ」と、思い出してくれるきっかけになれたなら光栄です。また、これから輪読会を開催しようとしている方へ、こんな輪読会はやっていけないのだ、と反面教師に企画してもらえれば光栄です。

輪読会とは

 輪読会の歴史は実は古く、江戸時代に全国の私塾、藩校で広がった読書会=解読での経験とそこで培われた精神が明治維新を準備したのだと知られています。輪読会は開催こそ困難であるが、一度完遂してしまえばそれは輪読会が終わってもなお自身の周囲に知的共同体が形成され続けることの他にありません。

と、まぁ、ここまで知的にカッコよく決めてみましたが、所詮は読書猿さんの独学大全の引用に過ぎません。これ以上は無理です。ボロが出ます。なので自分の言葉で話すことにします(この本は厚さに反して内容の読みやすさ故にかなりリズムよく読めます、とても好きな本です)。

 輪読会とは、読んで字の如く『輪になって読む会』ですね。噛み砕けば、同一の書物を複数人で読むこと、と認識しています。似た言葉に読書会などがありますが、輪読会は『参加している個人個人が担当するセクションを有し、皆にその部分の内容を理解できるように紹介、議論をする』というものだと解釈しています。読書会は、(正直よくわからないのですが)読んで感想を言い合って議論・理解を深めるという行為かと認識しています。責任と難易度が、輪読の方が上だと考えています。輪読会は、大学のゼミや研究室なんかでやられたりもしますね。学生であればまだ実施のハードルは社会人よりも圧倒的に低いかもしれません。

 一つ保険を張らせてもらいますが、読書会を否定するわけではありません。ただ、『専門書ではやるなら輪読会』だと考えています。なぜか。専門書(ここでは、大学水準以上の学術的知見が記された書物を想定しています)は、みんなで読んでも意味がないからです。それなら一人で読みましょう。専門書はその難易度故、みんなで文脈や行間を読み解いていく必要があるため、しっかりと準備する、責任を持って調べたり勉強をする輪読会が望ましいと考えています。ここが、ボクがギルドに入ってまで輪読会を実施したかった理由の一つですね。

"輪読会"の沼

 小難しい専門書をみんなで協力してやり切って、さぞ輪読会は気持ちの良いものなのでしょう。達成感もあり、やり切った自信もつくのでしょう。最初に、注意するべきポイントについて書いておきます。

  • ネット上(Speaker Deck等)には、「○○第△章輪読会資料」というものが多く落ちていますが、本の内容を追っているだけのものがあまりに多い。何かあなたの中に残りましたか?本当に"理解"できましたか?それが"理解"した人の作る資料なのですか?
  • 誰かが発表しているのを聞いていても得られるのは分かったつもりという虚構に満ち満ちた自信だけですよ
  • 自分で読んで大部分を理解できないのなら、まだその本に手を出す段階ではないのだと思いますよ、その段階で周りに理解を求めても得られるのは(略
  • こんなことを言っているけども、分からないことを知ろうと全力で頑張るあなたは素敵だし、きっと報われますよ(そっと自分に言い聞かせる)

輪読会を実施する意義

 さて、では輪読をする意味はどこにあるのでしょうか。難しい書籍をみんなで協力してより理解するためにやるのでしょうか。いくつか、意義を列挙していこうと思います。もちろんこれ以外にもあることでしょう、逆にこれは私には該当しないよ、というのもあることでしょう。それはそれで構いません。それが主義というものでしょう。ちなみに、順番に意味はありません。


  • 積本消化
  • モチベーションの維持
  • 理解の促進
  • 深堀する
  • 実際に使用する際の使い方

 さて。一つ目に『モチベーションの維持』を挙げました。これはそのままですね。輪読会の他のメンバがやっているから自分もやる。置いていかれる。自分が担当の時に進捗が遅ければ、他のメンバに迷惑をかける(猛烈反省中)。やらなければいけない、と強く感じることに意義があります。

 次に、『積本消化』はかなり大きい理由になると思います。専門書はどれも大抵は難易度は高く、数ページで数時間かかるなんてザラにあります(この部分は、実際に数学や物理の専門書を手に取ったことがない方には大袈裟と感じてしまうかもしれませんが、今私が勉強している数学の本は1時間で2ページくらいしか進んでいません。1週間で50ページやる予定だったのに)そのため、一つの本をやりきるには、膨大な時間を要するのです。さらには、一つの単元を一冊の本で完了させようというのはかなり危険です。書籍に記載されている情報は既に古い考え方かもしれない(歴史を学ぶことも大切ですが)。はたまた、書籍には、筆者の主義主張がふんだんに盛り込まれているからです。ある本では流していることが、他の書籍ではとても重要とされているかもしれない。筆者のバックグラウンド(専門分野や業界等)に強く依存することでしょう。すなわち、何かを書籍ベースで勉強するならば、複数冊の本に手を出す必要があるのです。とてもじゃないけど独学で進めるにはやり切れないかもしれません。そこで、例えば全部で5章構成の専門書を5人で輪読するとした場合、どうでしょう。一人一章を全力で勉強し、それを他の輪読メンバへ共有すれば個人の勉強の労力はかなり減ります。加えて、メンバと議論することで自分の勘違いを是正できるかもしれない、自分が疑問に思わなかったことでも実は本質的に理解できていないと思い知らされるかもしれない。理論的には、5倍速以上のスピードで専門書の海を駆け巡ることが可能かもしれません。まぁ、現実はこんなにうまくいくことはそうそう無いのですが。。。

 『理解の促進』ですが、これは1つ前の最後の方に記載した、内容についてメンバと議論する、ということに加えて、他のメンバに理解してもらうために準備するということがかなり効果的に効いてくることでしょう。議論に関しては言わずもがなですね。肝心なのは準備の方で、分かったつもりの状態では良い資料を用意することなんてできません。実際、(言葉は悪いですが)大した資料じゃ無いな(ここでは、本をなぞっているだけで何の追加の情報もない、などあくまで内容についてのみ言及させてね)と感じる輪読資料は、いざ発表になると、なるほどこの程度の理解ではこの程度の資料しか作れないわな、と感じることがあります。参加の意義のある輪読会を実施するためには、少なくとも発表者/担当者は担当の箇所をしっかり理解するよう努める必要があり、それゆえに準備することは必然として深い理解を要求されることになります。逆に言えば、努力しても理解できない、説明できないのであれば、その書籍はあなたにとってはまだ時期尚早なのでしょう。もう一つ基礎に立ち返ることを推奨します。

 『深堀する』も、理解の促進に関連しますが、全てを理論等深掘りするととてもじゃないけど時間が足りません。そこで、セクションを分担していることのメリットが出てきます。自分が深堀するのは自分の担当しているセクションだけにしておき、他のセクションの深堀を他人に委ねることで、効率的に深く知見を得ることができます。そこに付随して気になることが出てきたら、そこだけ自分でさらに深堀して調べれば良いのです。効率的ィ!!

 最後に、『実際に使用する際の使い方』を挙げました。個人的には、これはギルドで輪読会をするに際してのとても面白いと思っている点で、学生にはなかなか難しい、社会人の特権ではないでしょうか。ギルドには、実際にデータ分析に携わっている人がいます。統計や効果検証、統計モデルの選択など、理論は書籍から学ぶことができます。知ることができます。ただし、実際の現場ではどの程度使われるのか、デファクトスタンダードは本当にこれなのかなどといった知見は、実際に業務に従事している人からしか得ることができません。輪読会で理論について深く理解することに努めつつ、同時に実務ではどんな感じに使用されるのかについてまで知ることができる。イメージができたら、理解の速度は飛躍的に向上することが期待されますね。ボールを投げるという単純に感じる動作一つでさえ、ボールを持っていない腕で壁を作って足は投げたい方向へ向けて胸は開かないで肘は下げずに肩と肘を柔らかく鞭のようにしならせて体よりも前で地面に叩きつけるようにそしてギリギリまで離さずに人差し指と中指でスピンをかける、なんて言われてもまともな投げれません。実際にこんな感じだよ、ここでこう力を入れるのがポイントなんだ、と有識者の知見があった方がいいというのは理解に容易いことでしょう。

意味のある輪読会のために

 ここまでで、いくつか輪読会の意義を挙げました。では、これらの意義を身を持って感じるには、輪読会はどうあるべきなのでしょう。企画の仕方、および発表者と参加者のそれぞれの視点から、簡単に整理します。


  • 企画
    • 本はどんな決め方でも構わない(個人的に思う向いている本/向いていない本については後述)
    • 本は参加者全員購入せよ(著作権には気を付けろ、我々が書籍を覗き見ている時、書籍もまた我々を覗いているのだ)
    • 本の分割とそれぞれの担当者は企画時点で決定せよ(これがすごく大事、ここが抜けるとグダグダになります)
    • 可能であれば、日程まで決めよ(ここまでできると、本当にグダグダせず最後まで走り抜けられます、保証します)
    • 日程は、1ヶ月も空かないようにする(伸びるとどんどんグダグダしていきます)
  • 発表者
    • 準備は全力でする(発表者がサボったらその瞬間輪読会の質は落ちる)
    • 理解できていない点を隠さない(議論の対象になる)
    • 深堀する(本の内容を追うだけなら個人輪読でもいい)
    • 輪読会前に自分が作成した資料に目を通せ(何だっけとかほざくなそんな保険いらん)
  • 参加者
    • 問題意識を持って参加する(今回の輪読会で自分が知りたいのは何なのか?参加する目的はあるか?)
    • 必ず質問する(議論を起こせ、貴殿は本当に理解できているのか?)
    • 自分の担当じゃなくても必ず読んで理解しようと努めよ(得るものが減るぞ)
    • 資料がショボかったら質問は諦めろ(これは仕方ない)
    • 議論には自分も参加しろ(傍観者になるな、議論に揉まれないと定着効果はないぞ)

さて、思いついたものをつらつらと書きましたが、どんどん出てきます。ここらでやめておきます。企画に関しては、最初に担当者と担当箇所を割り振ることが大事です。本当に大事です。本当なんだってば!!!!信じなさいよ(逆ギレ)!!!!!!

(反省中)

本当に大事なんです。ここでメンバーに割り振ることで、今後の見通しが立てやすくなるだけでなく、メンバーが途中で輪読会を離脱してしまうことを予防することにも繋がります。実際、ギルドで最初に実施された輪読会(はじめてのパターン認識)では、最初は何人かいたのですが、途中からたった3人になってしまいました。3人でも輪読会としては問題なく進めることができていますが、やはり離脱してしまった人が多かったというのは何となく脱力感に襲われる上、個人の負担がかなり大きくなります。そして本書はゴリゴリの数式だらけの本であり、行間もスパースでかなり読者には優しくない本です。こういった本こそ、複数人で分担して、一人一人が一部分を全力で掘り下げるという輪読会が望ましいのですが。。。残念です。。。

 発表者と参加者が努めるべき事項に関しては、どれが重要とは言えず、どれも重要です。かっこの中にボクの気持ちの一部を書き連ねておきましたので、そちらを優しい目で見ていただければ理由は分かっていただけることでしょう。いずれにしても、主体性なく、学ぼうとしなければ何も得られません。そして、少し皆が軽視していると感じるのは、発表者が分かっていない点を隠してしまうことです。分からないなら、投げ掛ければ良いのです。正直ボク自身これはできていませんが、すごく大事なことだと感じています。

 そして、輪読会は発表者の準備は当然大事なのですが、参加者の質問がなければ基本的に議論が起こりにくいです。人前でボケて、白けてしまったとして、それはボケがつまらないことがもちろん最たる原因ですが、周りの人が反応してあげないことがもっと大きな原因なのです。「つまんな。」とでも反応してやれば良いのに、しないから空気が死ぬんです(突如脳裏を巡る懐かしい景色)。輪読会も一緒です。周りが反応しなければ、何も生まれず終わります。実際、質問してくれたり反応をくれる方と輪読会をやると、その輪読会は非常に有意義なものになることがボクの経験上、保証されています。逆も然りです。

輪読に向いている本と向いていない本

これまで、ギルドで実施してきた書籍を紹介します。結構有名な本が多数入っているので、見たことがあるものもいくつかあるかもですね。それぞれの書籍名の頭に、【☆○△】のいずれかの記号を付与しています。それぞれ、☆:オススメ、○:良い感じ、△:あまりお勧めしないということを表現しています。

 ☆に相当するものは、理論と実用例のバランスが良く、理解もしやすい良書だとボクが感じているものでもあります。また、先に述べたとおりギルドには実務で使用している方が在籍しているため、本の内容と実務での使用時の乖離など、より深い話を聞くことができた点も評価しています。
 ○に相当するものは、輪読には問題なく使用できる、という点を評価しています。輪読会の内容は実施するあなた方次第ということにはなりますが、僕らが実施した際には一人だとやらないな、という領域まで勉強の範囲を広げることができたことがとても良かったです。
 △に相当するものは、残念ながら輪読には向かない書籍です。今回は一つだけ取り上げることになましたが、こちらの本は「Pythonで時系列解析ができる本」という理由で選定されました。しかし、実際にはコードの例に多くページが割かれてしまっていたり、それによって理論的な内容は薄かったりとあまり輪読向けではなかったです。もう少し理論よりな方が、輪読には向いていると思われます。

 これらから、ボクは輪読会に向いている書籍の特徴は、 - 理論がしっかり載っている(行間を省かれすぎていない) - 実務に則した内容(実務だったらどうするか、を議論できる内容) - コード例の有無は影響ない(むしろコードの存在によって理論が削られるのであればそれは害悪) - 深堀したりコメントすることができる人が輪読メンバーにいる本(みんながど素人だとそれはそれで大変ですよね、、)

辺りであると考えています。まだまだN数が少ないので、これからこの条件はどんどんアップデートされるのではと思います。

新しい輪読の形;エクストリーム輪読会

 もうすぐギルド内で輪読会を始めてから1年が経とうとしていますが、ごく最近、ギルドの中では新しい輪読会の形が生まれました。それが通称"エクストリーム輪読会"です。エクストリームって何やねん。いやまじで。

 さて、輪読会の問題点は何だったのでしょう。輪読会の実施の最大の障壁になっているのは、他でもない本職です。どうしようもありません。輪読会で飯は食っていけません。なぜ障壁になっているのでしょう。前述の通り、発表者は相応に準備することが要求されます。そしてその準備というのは、仕事が終わった後や休日の、個人の時間を消費して行われます。仕事後や休日の過ごし方は人それぞれだし、本職を疎かにしてしまっては元も子もありません。つまるところ、圧倒的に時間不足なのです。

 このエクストリーム輪読会は、その問題の解決策を提供します(突然の論文口調)。実施方法は、以下の通りです。

  • 輪読担当者は15分で発表が終わる程度の担当範囲を決定する
  • テーマは一つで良い(どちらかというと一つを深堀するカタチ)
  • 資料を1〜2時間で作成する
  • 発表は15分、質疑応答15分程度の計30分
  • 毎週 or 隔週開催

すごく単純でしょう。まだ3回分しか実施されていませんが、準備に時間がかからないことがとてもメリットになっています。やってみればそのメリットは強く感じられると思います。とても気楽に実施できます。テーマは一つで良い、と記載しましたが、何ならこれは一つの公式等を導出するのに15分使用する(つまり、書籍の中の担当箇所は数式一本のみ)でも良いのです。あくまで、テーマは小さく、中身を深くというコンセプトです。一回一回の実施に要する時間的コストを最小化しつつ、毎週or隔週で実施することでその分野について勉強することを強制的に習慣づけることもできます。良いことだらけです。

 このエクストリーム輪読会はまだまだ走り出したばかりで、これから問題点が見えてくるかもしれません。ただ、社会人の、時間がない人らの輪読会はこれくらい軽い気持ちで実施できるものであることが、一番の最適解である、というように今は感じています。

結び

 今考えても、輪読書を決定するよりも、資料を作るよりも、発表するよりも、一番大変なのは輪読会に参加するメンツ集めです。これは間違いありません。ギルドにいることで、メンツを揃えることがとても容易になっていることを実感します。2020年、コロナで外に出れず新しい出会いは少なかったはずなのに、ギルドを通してたくさんの知的共同体が得られたことが誇らしい、そんな一年でした。

 まだまだ邁進します、ともに明日に向かって、藻掻いて生きて行こうね、負けねーからな、オラオラ(๑╹ω╹๑ )



最後にこの曲を聞いてお別れです。

”今日お前が歌った唄は、お前が未来のお前に向けて歌った唄なんだよ”
”未来で辛い時苦しい時、お前あの時あんなに、心込めて、良い声で、生きてる証拠を歌ってたじゃねぇかよって”
- BUMP OF CHICKEN 2019 Aurora Ark Tour Final @東京ドーム MCより

(せーのっ)

\\\ スノスマイル //

BUMP OF CHICKEN「スノースマイル」